№3　歌詞を覚える

　以前から歌詞を覚えることは不得意でしたが、５０歳を過ぎたころから益々その傾向が顕著になり、演奏会が近づくにつれて七転八倒の苦しみを味わっております。歌詞の覚え方にはそれぞれ独自なノウハウがあり、一概にこれがベストというものはありませんが、ごく一般的には入試の勉強と同様で、先ず自分で歌詞を書き写し、それを繰り返し声を出して読む。それでもだめなら自分で歌ったものをテープに録音して、再生しながら繰り返し一緒に歌う、というのが良いようです。言うまでもなく、本番と同じ伴奏者にお願いして、ひたすら繰り返し歌うこと、これに勝る方法はないようです。

　ある程度覚えた段階では、いつも間違える部分とか、特に覚え難い部分を集中的におさらいするのが良いでしょう。覚え難い言葉については、こじつけでも良いから、何かに関連付けて覚えるのがコツです。例えば「アベリア」と言う花の名前は、マ抜けのアベマリアと言う具合に・・・。

　「プロはひたすら繰り返す」と言う言葉があります。これは何も音楽に限ったことではありません。その道のプロと言われる人達に共通して言えることは、「身についている」と言うこと、口や手足が自然に動いている、要するに身体で覚えている、と言うことではないでしょうか。伴奏が出ると自然に歌詞が出て来るようになるまでひたすら繰り返す。

　一夜漬け、即席で覚えたものは身に付かない、と言うのは正に道理です。